のびる天国  2016.3

先日抜けるような青空の下、
玉川上水沿いで「のびる」を採った。
エシャロットに野性の力強さをプラスしたような
春の山菜。
体中の血液がきれいになるような
スッキリとした苦味がたまらなくうまい。

そんなのびるを、娘と調子に乗ってどんどん
採取していたところ、目の前で散歩中の犬が
例のものを片足をあげて垂れ流しているのを目撃。

う・・・と思ったものの、
それも自然の摂理。
何もなかったことにして手の中ののびるを
袋の中に押し込めた。

その夜食べたのびるは、少し塩辛かった事は
いうまでもない。

尻に敷かれるという事 2 

昨日、帰宅後珍しくサクサク宿題をハジメル息子。

よしよし・・母も穏やかに掃除などを始める。

  ピンポーン

玄関には嫁候補からはずしてやった女の子が一人。

「T君いますか?」

・・・にわかに母の眉間に緊張感が走る。

息子を呼びつけ、離れた所で聞き耳を立てる。

「あのね、○○君と○○君はいるんだけど、○○ちゃんが用事で来れなくて・・」

「・・だから出来なくて、○○君は遠いし。」


どうやら、遊ぶ面子が揃わなくて、つまらないから来て欲しいと直々のお誘い。

結局、宿題を投げ出し、ノコノコついて行った息子。


  後ろ姿を見送った母は、行く先が雀荘じゃない事を祈った。

尻に敷かれるという事

昨日 長男3年生の息子に女の子から電話

(女の子の会話は母の推測)

「あ・・T君(息子)? 明日学校で書初め大会あるよね」

「うん。」

「お手本の紙持ってる?」

「習字のかばんに入ってるよ。」

「あのね、私なくしちゃったの。T君のオウチにコピー機ある?」

「あるけど、お父さんじゃなきゃ使えないよ。」

「お父さん、何時に帰ってくるの?」

「8時頃かな~。」

「じゃあ、8時10分に出来たか電話するからお父さんにやってもらってくれる?」

「え~?」

「又電話するね、バイバイ。」

「バイバイ・・。」

なんだそりゃ、と思いつつ事情を聞いた母がちゃちゃっとコピー。

8時過ぎ・・

「もしもし、T君?出来た?」

「うん。」

「T君忘れ物多いから、明日忘れないように朝7時に電話するから。じゃ、ばいばい。」

「・・バイバイ・・。」



朝、きっちり電話があり、息子はしっかり持たされ登校。


ちっ・・・
   嫁に来て欲しくないタイプ、ナンバーワンにしてやる。

 しっかりしろ!息子!!

JK風に読むべし  2013.5

このまえー、アイスの日でぇ、10円とか払えばぁ、
アイス食べれる、チャリティデーだったのぉ、

日曜日でぇ遅く起きたから、めっちゃ行きたくなかったのにぃ、
9歳の息子がぁ、行くっていうからぁ、
まじっ?って思ったけど自転車でぇ30分走ったしぃ、

で、店着いてアイス手に取った瞬間

息子、マジ倒れたし、

皆がん見するし、

アイス溶けるし、


超やばかったし、

結局、熱中症?みたいな?水飲ませて?イオン飲料?みたいな?

すぐ直ったのぉ、でラーメン食べてぇ、涼しい服買ってぇ、

帽子も買ってぇ、・・・。


息子の好きな刺身を夕食に用意してぇ・・。


帰宅して、食事させて、寝せて・・。


・・・アレ?今日、母の日じゃね?

      

        夜露死苦

インフルパラダイス 2014.1

 1月30日は私の誕生日でした。

年齢はともかく、生まれた日への思いは多少なりとも感慨深いものがあります。以前広告代理店で働いていた時は、誕生日だろうとクリスマスだろうと灌仏会だろうと、もくもくとあんパンかじって深夜まで働いていましたが、ここ数年は、まあ穏やかに賑やかに過ごしていたものです。

さて、ここまでお読みいただいた方には察しがつかれたかと思いますが・・・・。

30日朝・・・

長女『お母さん、タオルは一番奥のやつ使ってね』

長男『いったい寿司はいつ食えるんだよ』

末子『ウィルス来るな~』


私はインフルエンザウィルスに侵され、奥の小部屋で隔離され・・・辛い一日を・・と思いきやこれが又何と快適な時間!仕事も家事も堂々休め、抗ウィルス剤の点滴のおかげで39度近かった熱も下がり、お気に入りの音楽を流して読書三昧。家族が帰宅する前に食事の用意だけして、隔離部屋へ・・。まさに神様がくれた…という気さえしました。

 
          ・・・ツカエル


学校をずる休みする計画を思いついた時の、子供に戻ったようなワクワク感に高揚しつつ、あと何日位ウィルス身体から出てる感じにしようかな~と考えています。

集中治療室  2013.3

義母が100万人に1人の難病になり、先日15時間にも及ぶ大手術を行いました。

翌々日、ICU集中治療室に一人で見舞いに行く事となり、
とにかく明るく振舞おうと心に決め、服装も春っぽい清潔感漂う、
大きめのチュニックを着、
口元にも笑顔を意識し、緊張しながら訪問しました。

コートを脱ぎ、手を洗い、消毒。
マスクをし集中治療室に入ると、生死の現場で働くスタッフたちが
キビキビとした動きで、患者に処置を行っておりました。

声をかけたスタッフに名前を告げると、まさかの素敵な笑顔。
『はい、こちらですよ!※ 』

さすがプロフェッショナル!

こんな緊迫した現場でも、笑顔の余裕とは・・。

案内されたベットにはあらゆるチューブに繋がれた、
痛々しい義母が
『あ・・きょ・・う・・・・・。※』
声も絶え絶えに何かを訴えるも、聞き取れず。

『お義母さん。大丈夫ですよ!』
残念そうに、又眠る義母。(※・・)

ベットの元に担当の先生と看護婦さんが登場。
二人ともやはり、笑顔がいっぱいだ。
『何か質問ありますか?※』
・・・こんな時の質問って?でも何か言わなきゃね

『えーっと、あ、後は感染症の心配位ですかね?』
『何のですか?※』

感染症に何って・・
『あ、全くわかりません。』

『ははは!※』

笑顔や笑い声があふれるプロフェッショナルなスタッフたちに、
細かい説明を受け、何だか爽やかな気分で帰宅。

やれやれ、と手を洗い洗面台の鏡を見ると・・。

えーっ‼チュニック裏返し&後ろ前じゃん!

胸元にでかく<LL>のタグが バーン!

・・・その瞬間すべての点がつながった。

※に ( 『LL』のくせに!) を入れてみよう。

集中治療室に笑いをもたらしてきた自分がちょっと誇らしい・・と思うことにしよう。